二度目の旅を終えて
秋になると、クラスの空気はもう受験モード一色だった。 ヤンキーの中でも、リキヤなどの上の階級のヤンキー達は、中途半端に高校に行くのではなく、鳶や何かの仕事に就くようだった。 彼らを除けば、ほとんどの生徒達は完全に受験体制に入っていた。 沢勉は…
修学旅行が終わり、またいつもの学校生活が始まった。 僕は旅館での一件以来、もしかしたらゴツオからの仕返しがあるかもしれないと、一応用心していた。 そんなあるとき、放課後の廊下でリキヤに声を掛けられた。 リキヤは、今やこの中学校の番格になってい…
みんなのこうした悪ふざけは、次第にエスカレートして、紙飛行機どころか、棒を作ってチャンバラごっこに興じる奴や、ボールとバットを作って野球を始める奴らも現れた。 休み時間にやってるだけならまだ可愛いものだが、ヤンキー連中には時間の概念が理解で…
二度目の旅から帰ってくると、三年生のクラスは、すっかり修学旅行モードになっていた。 例年、僕らの中学校は京都・奈良へ行くのが定番のコースだったのだが、今回はなぜか、広島へ行くことになった。 噂によると、どうやらこの変更は僕が原因らしい。 去年…