中学生が夏休みにヒッチハイクで一人旅に出た話

中学生がヒッチハイクで一人旅に出た話です。

中2の夏 旅日記 滋賀県~静岡県掛川市

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八月八日 滋賀県~静岡県

 

 今日は大津を発つ。タカさんもおばあさんも、二日間泊めていただいて、ありがとうございました。お寺なので、本堂に入って仏様にも、さようならとありがとうを言った。なむあみだぶつ。

そして、ヒッチハイクをするため、大津のパーキングまで歩いた。すごく暑かった。死ぬかと思った。

そして、ヒッチハイク開始!だが、なかなかつかまらない。ゴウさんは、

「そのペットボトルのお茶が小便に見えるから、こいつら変だと思われているんだぁ!」

とか言っていた。誰だコイツ。

 そして、待つこと二時間、ついにゲット!

 この車の二人は若いのに農業を愛する二人で、農家で働いているという。農作業をしていると、「生きてる」って感じるらしい。そして、この人たちは、名古屋の手前のパーキングで降ろしてくれた。

 そして、またそこでヒッチハイク開始。だが、なかなかつかまらない。そろそろ疲れてきたその時!一台の乗用車が止まった!

 この車のドライバーは30ぐらいの兄さんで、なんとサガミや吉野家で使っている漆器の会社の専務取締役らしい。この専務、名古屋をいろいろ回ってくれるという。ありがたい!忙しいだろうに、オレらに付き合ってくれるとは。

 しかし、オレはこの旅で親切な人にしか出会ってない気がする。まるで、日本全国民が良い人のように思えてきた。

 いろいろ連れてってもらい、どっかのパーキングで降ろしてもらった。本当にありがとうございました。

 そして、そこでヒッチハイクをしていると、一台のトラックがクラクションを鳴らした。オレ達を呼んでいるらしい。話を聞くと、豊橋まで乗せてくれるという。どこに乗るのかと聞くと、荷台に乗せてくれた。冷凍車の荷台なので、ちょうど涼しかった。だが、まさか冷凍車の荷台に乗れるとは思わなかった。中は暗かったが、豊橋までの間、オレ達は大声で歌いまくった。そして、今までの旅を語り合った。そうしている内に、豊橋に着いた。

 降りた時、写真を撮り、その写真を撮ってくれた人に浜名湖まで乗せてくれないかと言うと、快くOKしてくれた。車にはその人の彼女もいて、その人はあの『桃の天然水』の会社に勤めている人だった。その時から、オレの好きな飲み物は桃天になった。そして、浜名湖で降ろしてもらった。背の高い人だった。

 それからヒッチハイク開始!これが最後のヒッチハイクになった。この老夫婦は、小笠のパーキングまで乗せてくれた。

 そしてもちろん、オレはここで降りることになった。ゴウさんとヒロキさんは千葉までだが、オレの旅はここで終わりだ。ゴウさん達とは、笑って別れようと思ったが、涙が止まらなかった。ゴウさんもヒ。

 オレはその時、家に着いた安心感とやり抜いた達成感と、もうしばらく旅に出られないから残念だという気持ちが入り乱れて複雑だったが、旅はまた来年、必ずやろう!それまでは、勉強でも何でも、一生懸命やるぞ!旅をやり遂げたオレなら何でもできるはずだ!という気持ちに変わっていった。