中学生が夏休みにヒッチハイクで一人旅に出た話

中学生がヒッチハイクで一人旅に出た話です。

中3の夏 旅日記 8月8日(日) 横浜~福島県のどこかのサービスエリア

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今日は七時半ぐらいにおきた。8月6日のトイレではあまり良く眠れなかったので、その分昨日はぐっすり寝ることができた。

それからすぐに穂垣さんと朝食を食べに近所のファミリーレストランへ行く。すると、朝食もおごってくれるというので、いくらなんでもそれは悪いと思い、今度は自分で払うと言うと、

「まぁ、大きくなって出世したら、また払ってくれや。」

と言ってくれた。そしてそのまま東京の渋谷まで送ってくれて、渋谷をいろいろ車で回り、案内してくれた。

田舎者の僕は、あまりの人の多さにびっくりしてしまった。しかし穂垣さんは、これでもまだ少ないほうだという。なので僕は、おそらく一生東京に住むことはないだろうと思った。しばらく回ってもらっていると、せまい路地で何かの撮影をやっていた。芸能人はいるかな?と思って見てみたが、それらしい人達はいなかった。穂垣さんは、この辺ではこんな撮影みたいのはしょっちょうやっていると言う。

それから原宿まで送っていただき、原宿駅の前で降ろしていただいた。この方には本当にお世話になった。将来立派な大人になったら、また会って恩返しがしたいと思った。

そして、移動しようと思ったが、東京都内のヒッチハイクはかなり厳しいものがあると思い、電車を使って移動することにした。

僕は格闘技に興味があるので、『極真空手』の総本部に行ってみたいと思い、山手線に乗って池袋まで行き、総本部を訪ねた。すると、

「すいません。見学はお断りしているんですよ。」

と言われ、大ショック!!せめて写真だけでもと思い、写真を撮らせてもらおうとすると、

「すいません。写真撮影もお断りしているんですよ。」

と言われた。

どうやら以前は良かったらしいのだが、ダメになったらしい。まあ、格闘技の世界にもいろいろとあるのだろう。

それからその他の東京の観光地を回る気もなくなったので、池袋をしばらくの間ふらつく。そしてもう先に進もうと思い、少し都会を離れた所まで電車で行き、そこから東北自動車道インターチェンジのある埼玉までヒッチハイク開始!!すると意外と早くつかまり、埼玉の東北自動車道につながる17号線まで乗せていただいた。そして、それからボードに思い切って「東北方面」と書いてヒッチハイクをしてみたが、さすがになかなかつかまらなかった。

カラオケ屋の前でヒッチハイクしていたのだが、しばらくすると、そのカラオケ屋の店員さんが、

ヒッチハイクですか?」

と声をかけてきたので、事情を話すと、

「そうかい。とりあえず、中でウーロン茶でも飲まないか?」

と言ってくれた。

そして店の中に入ると、もう一人大きな店員さんがいて、三人でウーロン茶を飲みながらいろいろ話をし、すっかり仲良くなった。大きな方の店員さんはミュージシャンらしく、

「今に有名になっから、憶えといてくれよ。」

と言っていた。

 そしてお礼を言い、ヒッチハイクをやろうとすると、店員さんの一人が仕事をほったらかしてヒッチハイクを手伝ってくれた。僕が前に立って親指を立て、後ろで店員さんにボードを掲げてもらうという形でやった。

 ボードも「東北方面」から東北自動車道の入り口の「久喜インターチェンジ」に変えた。すると、十分後に一台の乗用車が止まった。ヒッチハイク成功!!店員さんにしっかりお礼を言って別れ、車に乗らせていただいた。

 車に乗っていたのは、女性二人組みの方たちだった。テレビとかで『電波少年』などがヒッチハイク旅行物をやっていたから、

「私ヒッチハイカー乗せたのはじめて~!すごーいテレビみたーい!!」

とはしゃいでおられた。

 僕のヒッチハイクの経験の中では、若い女性だけの車に乗せていただいたのは、はじめてだった。男性と一緒だったり、おばさんだったりした場合はあったが。やはり女性だけでヒッチハイカーを乗せるのはかなり恐いらしい。だから、女性ヒッチハイカーなんかになると、オオクワガタ並みに珍しい。

 そして、久喜インターチェンジまで乗せてもらうと、次のヒッチハイクが成功するまで一緒に手伝ってくれた。すると、十分程で車がつかまり、お姉さんたちにお礼を言って別れた。

 そして、車に乗せてもらった。こちらの方は40代ぐらいのおじさんで、福島県まで乗せてもらう間、国際問題の話をした。途中で、

「君、夕食はもう食べたのか?」

と聞かれたので、

「いいえ、食べてません。」

と答えたら、サービスエリアで肉うどんをおごってくださった。そして、福島のどこかのサービスエリアで降ろしてもらい、今日はここのベンチで寝ることにした。