中学生が夏休みにヒッチハイクで一人旅に出た話

中学生がヒッチハイクで一人旅に出た話です。

中3の夏 旅日記 8月18日(水) 網走駅~網走

朝七時ぐらいに起きる。コンビニめしを食ってヒッチハイク開始!10分ぐらいたつと一人のおじさんが声をかけてきてくれた。しゃりの方まで行きたいというと、乗っけてってくれるという。

 このおじさんは堀田さんといって関西の人だ。堀田さんは、自分も一人なので、これから北海道を一緒に回ろうと言ってくれたので、しばらく一緒に回ることになった。

 まず、知床へ行った。知床はすごく自然が残っていて、すごく良かった。だが、その分ヒグマも多く、知床五湖などに行った時には、三湖から五湖への道はヒグマが目撃されたため通行止めになっていた。

 そして、羅臼岳のよく見える所で休んでいた時、妙に見覚えのあるライダーと出くわした。そのライダーはなんとサロマのライダーハウスで会ったウンコマンだった。すごい偶然だと思った。まあ、旅人はだいたい同じような所に行くから、こういうこともあるのだろう。そして、そこでしばらくウンコマンとくっちゃべって別れ、先に進んだ。

 次は相泊温泉に行った。すると、そこでもウンコマンと会った。本当にスゲーなあと思った。その温泉は真正面が海で、無料で入れる温泉だった。テトラポットに乗って、素っ裸でまた「男のロマン」をやった。

 それから網走まで戻って、堀田さんの旅館にこっそり入らせてもらい、今日は旅館で寝れる。

中3の夏 旅日記 8月17日(火) サロマ湖あたりのライダーハウス~網走駅

 朝、妙に顔がかゆくて目が覚めた。そして、みんなと別れ、ライダーハウスの方にお礼を言いに行って出かける。

 すぐにヒッチ開始!車はすぐに止まり、網走の手前まで乗せていただく。そして、少し休んでジュースを飲んでいると、おばあちゃんが、

「あんた、顔、変なの書いてあるねえ。」

と言われたので、近くのトイレに入って鏡を見ると、額に「肉」とほっぺたに「うずまき」が書いてあった。きっと師匠たちが犯人だ。すぐに顔を洗った。

 そしてまたヒッチして網走まで行く。そこからずうっと歩きで網走を回ることにした。まず「北方民族博物館」に行った。山の上にあったので、えらく疲れた。それから「流氷館」にも行った。「流氷館」ではクリオネを見ることが出来た。それから「網走監獄博物館」にも行ったが、5時を過ぎていて入館時間が終わっており、入れなかった。そして、また山を降りて網走駅まで歩く。今日はここで野宿。

中3の夏 旅日記 8月16日(月) サロマ湖あたりのライダーハウス(連泊)

今日は体がダルいので、ライダーハウスに連泊することにした。師匠も連泊するという。師匠は見たいところがあるというので出て行ったが、ヒッチハイクで近辺を回る気にもなれず、歩くのも嫌なので一日中ゴロゴロしていた。そして、夕方になるとライダーが集まり、師匠も帰ってきた。

そしてまた仲良しが出来る。二十歳のライダー(後、ウンコマンに改名)と兵庫から来たライダー(関西人だから、あだ名はカンサイ)、それに師匠と僕だ。そしてみんなで食堂に行き、豚丼を食う。

ライダーハウスに戻ると二十歳のライダーが突然屁をコキまくる。何事かと思うと、彼は突然、

「くっ、くっ、くっ、くそしてえぇ~!!」

と言ってトイレに駆け込んだ。あぁ、しかしトイレにはカンサイが…。やっとトイレに駆け込んだ頃には時すでに遅し。彼はウンコをもらしてしまった。彼のあだ名はウンコマンになった。

 それから、町の広場で盆踊りがあるというので、みんなで踊りに行った。盆踊り大会なのでそれに参加した。踊りは6パターンの動きしかなかったが、それを二時間ぐらい踊った。そしたら僕は11位に入ることが出来た。他のみんなも賞をもらうことが出来た。だが、商品はみんな同じでビデオテープだった。そしてもう帰って疲れたので寝た。

中3の夏 旅日記 8月15日(日) クッチャロ湖~サロマ湖あたりのライダーハウス

朝、三人組と別れる。しばらく歩いて町の大きな道路を目指す。そこですぐにヒッチハイク開始!すぐに軽トラが止まる。

 ドライバーさんは漁師さんで、あの所ジョージがやっている『笑ってコラえて』が漁港に来たこともあるという話を聞いた。

 そして、途中で降ろしてもらい、またヒッチ。すぐにおばさんとその子供の乗る車が止まってくれた。

10分ぐらい行った所で、またヒッチ開始!次はおじいさんの車が止まった。そして、サロマ湖の近くの町まで送ってもらう。

周辺をふらつく、すると、ライダーハウスがあったので泊まることにする。しかし、ライダーハウスがやっている食堂で飯を食べることが条件だ。食堂で飯を食って、ライダーハウスでごろごろしている。

すると、夕方になってライダーがたくさん集まってきた。みんな仲良くなってしゃべりまくった。中でも高3のライダーさんとは年が一番近かったので、仲良くなった。あとは28歳の下ネタオヤジとも仲良くなった。

それからみんなで銭湯に行った。僕はハーレーのケツに乗っけてもらった。そしてみんなで露天風呂でサロマ湖に向かって、素っ裸で「男のロマン その1」をやった。

それからライダーハウスに戻って宴会をやった。酒をやたらと飲まされて、わけがわかんなくなった。下ネタオヤジと高3の兄ちゃんで3人で話をした。下ネタオヤジは札幌の「すすきの」の話を教えてくれた。他にもいろいろ教えてくれて、オレと兄ちゃんは笑いすぎて死にそうになった。下ネタオヤジは師匠に昇格した。そして今日はみんなで雑魚寝した。

中3の夏 旅日記 8月14日(土) 豊臣駅~クッチャロ湖

朝六時頃、熟睡してたのを、

「こらあ!こんな所で寝てちゃいかんぞお!!」

と、わけのわからんオヤジに起こされる。

 しかし、昨夜はやはり何も出なかったようだ。だが、まだ眠かったし、しばらくボーッとしたり、マンガを読んだりしていた。すると十時半頃、男性二人組が、

「旅の方ですか?どっから来たんですか?」

と話しかけてきた。ヒッチハイク宗谷岬を目指していると言うと、

「じゃ、オレら稚内行くから一緒に行こうぜ!」

と言ってくれた。そして、切符を買ってくださり、稚内まで電車で行くことになった。稚内に着くと、二人組のうち一人が、

「やべえ!電車にバッグ忘れた!」

と言うので、近くの公衆電話で駅に連絡し、バッグを取りに行った。ちなみにこの人はサイフも公衆電話に忘れていった。そして15分ぐらいたち、無事バッグを持ってきて、みんなでラーメンを食いに行って、それからゲーセンに行った。

 そして2時ぐらいになって二人組と別れ、ヒッチハイクを開始した!すると10分ぐらいで女性二人組の乗用車をゲット!一気に宗谷岬まで行ってくれるという。

 そして、ついにこの時が来た。車は30分ぐらい走り、宗谷岬に着いた。ついに来た。俺はついに、「日本最北端の地 宗谷岬」に来ることが出来た。そしてしばらく「最北端の地」をブラブラしていると、バスの待合室みたいな小屋があった。その小屋を見ると、徒歩ダー、チャリダー、ライダー、JRラー、そしてヒッチハイカーなど、さまざまな旅人たちのラクガキが書いてあった。それを見て改めて、

「オレは本当に日本最北端の地にたどり着いたんだ。」

という気持ちになった。そして、やっとここで本当に旅人になれたような気になった。

 そういえば、「最北端の地」では何かの撮影をやっていた。ゴールがあって、それに走って来る人達がいた。これは掛川に帰ってからわかったことだが、これはNHKの番組だった。

 ところで、ここはどうも人が多い。旅人も結構多いが、ツアーなどの観光客もいて、写真を撮るのも順番待ちだった。今までイメージしていた「最北端の地」とはかなり違っていた。まあ、観光地だから仕方ないか。

 そして、しばらくボーッとしていると、一人の青年ライダーが、

「よお、どっから来たんだ?ヒッチハイカーか?」

と声をかけてきた。そしてしばらく話をすると、彼は、

「ふう~ん。あ、近藤さん、近藤さん。年下発見!」

と言ってもう一人のライダーを呼んだ。二人はこっちで知り合って、何日か一緒に旅してるらしかった。

 青年ライダーは高2だが、実は高校はもうやめていて、カブに乗って旅しているという。彼は僕に、北海道のライダーの証、「ホクレンの旗」をくれた。ライダーが持っているのを見て、ずっとうらやましかったのだが、「ホクレン」という北海道だけにしかないガソスタで給油したライダーしかもらえないものなので、ライダーにもらわない限り手に入んないのだ。だからめちゃめちゃうれしかった。さっそくリュックにつけてみた。よっしゃ、これで完璧北海道の旅人だ。そして彼らは、

「オレらぁ、今日はクッチャロ湖でキャンプやるんだ。あっちで合流しねぇか?」

と言ってきた。もちろん、自分もクッチャロ湖に向かうことにした。彼らはバイクなので、一足先にクッチャロ湖へと向かった。

 さて、こっから自分もヒッチでクッチャロ湖へ行くぞ。ヒッチ開始だ!すぐに車が止まってくれた。ドライバーさんは自衛隊の方で、いろいろと北朝鮮とかに対しての自衛隊員としての意見を伺った。そしてクッチャロ湖まで行き、お礼を言って別れた。

 ライダー達はもうすでに着いていた。一人増えて三人になっていた。彼は大学生らしい。それからみんなでスーパーに買出しに行くことにした。スーパーに行くと、豚肉や牛肉が150円とかで売られていた。もちろん良い肉ではない。一人250円ぐらい出して、今日は焼肉をすることにした。キャンプ場でやるからバーベキューだ。

 そして、みんなでしゃべりながら焼肉を食った。暗かったので、生なのか焼けてるのかわからなかったが、結構うまかった。途中で他のキャンパーの人が、680円の高級な牛肉をくれた。150円とか200円とかの肉とはケタが違った。

そして、しばらくたって肉を平らげてから、近くのホテルの温泉に行った。3日間風呂に入ってなかったので、殊のほか気持ちよかった。

それからキャンプ場に戻り、しばらくマンガの話などでしゃべってから寝ることにした。みんなはテントがあるのでテントに入って寝たが、僕は寝袋で星空を見ながら外で寝た。ほんまもんの野宿や。

中3の夏 旅日記 8月13日(金) 札幌駅~豊臣駅

 今日は朝八時頃起きた。しかし、都市の中心にいるので抜け出すのは困難だと思うと、やる気が起こらず、しばらくボーッとしていた。しかし、いつまでもここにいても仕方ないと思い、いちかばちか石狩街道からヒッチして石狩の方へ向かうことにした。しかし、やはり都市部でのヒッチは難しく、なかなかつかまらない。

 2リットルのペットボトルに入った水もなくなりかけたその時、一台の車が止まった。マジで無理だと思っていたので、めちゃめちゃうれしかった。ドライバーさんはなまりがなかったので、聞いてみるとやはり本州の人で仕事でこっちに来て4ヶ月だという。そして、留萌方面へのヒッチがしやすい所で降ろしていただいた。札幌はもっと出るのが難しいと思っていたのに、ラッキーだった。

 そして、またすぐにその場所でヒッチ開始!!するとすぐに車が止まってくれた。乗っていた方たちは、北大のヒグマ研究会の方たちで、ヒグマの生態調査のため、どこかの山に向かう途中らしい。その人達にヒグマについていろいろ聞いてみたが、ヒグマはそんなに恐いものではないということがわかった。

そして、他にもいろいろ役に立つ情報を教えてもらい、途中のコンビニでおにぎりなどをおごってくださった。

 それから、ソフトクリームがすごくでかいという店に行った。この店のソフトクリームは、別に大してうまいわけではなく、とにかく量がすごいのだ。ただし、量の多い「大」のソフトクリームを作れるのはおばあちゃんだけで、おばあちゃんのいない時は「中」と「ミニ」しかできないらしい。

僕らが行った時は、ちょうどおばあちゃんがいなくて、おばさんがやっていた。だが、やはり修行の足りないおばさんでは「大」が出来ず、失敗して結局普通よりちょっと大きいぐらいのソフトクリームになってしまった。それでも結構大きかった。危うく落としそうになった。これで150円とはすごく安いなあと思った。

それから留萌まで行って、そこで降ろしてもらった。そしてまたヒッチ開始!すぐに車が止まってくれた。

ドライバーさんは幌延町の町議会議員さんで、牧場もやっているという。この議員さんは、車に乗っている間中、北海道の農家とかの生活の状況が厳しいとか、首を吊って死んだ牧場主の話をしてくれた。北海道の牧場というと、ほのぼのした感じで夢いっぱいなイメージだったが、そう甘くはないようだ。

そして牧場に連れてってもらってお茶をごちそうになったり、YAPで牧場の仕事を手伝わせてもらったりした。夕方になって暗くなると、隣の豊臣町まで送ってくださり、カツ丼もおごってくれた。実は、北海道に来たら牧場の仕事を体験してみたいと内心思っていたので、今日はラッキーだった。

そして、豊臣駅で今日は寝ることにした。この駅はトイレもきれいでマンガもあるし、最高の宿だった。田舎の駅なので人もめったに来なくて静かだった。

途中、若い5人くらいの人が来て、仲良くなった。彼らは高校生で年も近いので話がはずんだ。途中、コンビニでおかしを買ってきてくれて餞別にとくれた。彼らの話では、6月頃にこの駅のホームでホームレスが線路に身を投げ自殺して、それ以来この駅には「出る」らしいのだが、たぶん嘘なので今日はもう寝ることにした。

中3の夏 旅日記 8月12日(木) 函館~札幌駅

朝六時頃起きて、二人組と別れる。その二人組、こっから別行動らしい。ライダーの人は一人で先に行っちゃったが、僕たちはヒッチハイカーなので、同じポイントでやると困るから話し合って決めた。そして、自分のポイントへ行き、ヒッチハイクを始めたが、なかなかつかまらず、少し歩くことにした。

 すると、途中でもう一人のヒッチハイカーと出会う。大阪から来た23歳のフリーターで、北海道を二度目だという。彼はまず小樽に行き、それから夕張へ行って祭りに参加するというので、途中まで一緒に旅をすることになった。

 そして、その場所からヒッチハイク開始!彼の話では、まず手を振ってヒッチハイクした方が成功するというので、それで10分交代でやってみた。途中からボードも使って二人でやった。

 しかし、一人の時に比べ、二人でのヒッチハイクは難しく、なかなかつかまらなかった。50分程でようやく一台の車が止まってくれた。こんな所では車はつかまらないというので、好ポイントまで乗せてくださるという。

 車には犬も乗っていてびっくりした。ゴンちゃんというらしい。そういえばヒッチハイカーの彼はコウノさんというらしく、乗せてもらった時もコウノさんがずっとしゃべってくれるので、僕は楽だった。犬とずっと遊んでいた。

 そして、好ポイントで降ろしてもらい、再びヒッチハイク開始!!ここは日陰がなかったので、二人ともバテ気味だった。今度は意外に早くつかまり、10分ぐらいで車が止まった。乗っていたおじさんは結構無口な人だったが、コウノさんがしゃべってくれるので本当に楽だ。

 そして、10分ぐらい進んだ所でまたヒッチハイク開始!!すぐに一台の乗用車が止まってくれた。30代ぐらいのおばさんと5歳ぐらいの女の子が乗っていた。熊石まで乗せてもらい、そこの自宅でスイカをごちそうになった。のどが渇いていたから、大変うれしかった。

 それから近くの海にみんなで行って泳いだ。すごく暑かったのでかなり気持ちよかった。浮き輪がないので大きな木を浮き輪代わりにして、それに捕まって泳いだ。日本海だから水がきれいで冷たかった。

 そしてみんなと別れ、再びヒッチハイク開始!!するとすぐに一台の乗用車が止まってくれた。乗っていた方は女性で、小学校の先生をしてらっしゃるという。生徒数は全校で21人。北海道ではそういう学校が多いそうだ。

それで、しゃべる方を例によってコウノさんにまかせていたら、奴は失敗をこきゃあがった。彼はずうっとしゃべっていて、間を空けまいと必死にしゃべっていたのだが、その中で北海道の悪口のようなことをしゃべってしまい、険悪なムードになってしまった。そして、二人は全くしゃべらなくなってしまい、次は僕が間を空けまいと必死でしゃべるハメになってしまった。

そして、僕は札幌の方まで行くが、彼は方向の違う所へ行くので途中で降りた。そして先生は僕に、

「君もヒッチハイカーでずっと旅するなら、ああなっちゃ駄目だよ。」

と言った。そのとおりだと思った。

 そして札幌まで行く道の上で降ろしていただき、またヒッチハイクを始めた。するとすぐに車が止まった。乗っていた方は男性で、何とこの方も小学校の先生だという。今日は先生に縁があるようだ。

 そして長万部のあたりでカニ飯をおごってくれた。カニ飯は文字通りカニの身がぶあっとのっていてうまかった。そして札幌駅の近くまで送っていただき、別れた。

 そして駅に行き寝床を探すと、野宿をしている旅人でいっぱいだった。さすがに北海道は旅人の数が本州とは比べ物にならない。そして今日はもう寝る。