中学生が夏休みにヒッチハイクで一人旅に出た話

中学生がヒッチハイクで一人旅に出た話です。

中3の夏 旅日記 8月14日(土) 豊臣駅~クッチャロ湖

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朝六時頃、熟睡してたのを、

「こらあ!こんな所で寝てちゃいかんぞお!!」

と、わけのわからんオヤジに起こされる。

 しかし、昨夜はやはり何も出なかったようだ。だが、まだ眠かったし、しばらくボーッとしたり、マンガを読んだりしていた。すると十時半頃、男性二人組が、

「旅の方ですか?どっから来たんですか?」

と話しかけてきた。ヒッチハイク宗谷岬を目指していると言うと、

「じゃ、オレら稚内行くから一緒に行こうぜ!」

と言ってくれた。そして、切符を買ってくださり、稚内まで電車で行くことになった。稚内に着くと、二人組のうち一人が、

「やべえ!電車にバッグ忘れた!」

と言うので、近くの公衆電話で駅に連絡し、バッグを取りに行った。ちなみにこの人はサイフも公衆電話に忘れていった。そして15分ぐらいたち、無事バッグを持ってきて、みんなでラーメンを食いに行って、それからゲーセンに行った。

 そして2時ぐらいになって二人組と別れ、ヒッチハイクを開始した!すると10分ぐらいで女性二人組の乗用車をゲット!一気に宗谷岬まで行ってくれるという。

 そして、ついにこの時が来た。車は30分ぐらい走り、宗谷岬に着いた。ついに来た。俺はついに、「日本最北端の地 宗谷岬」に来ることが出来た。そしてしばらく「最北端の地」をブラブラしていると、バスの待合室みたいな小屋があった。その小屋を見ると、徒歩ダー、チャリダー、ライダー、JRラー、そしてヒッチハイカーなど、さまざまな旅人たちのラクガキが書いてあった。それを見て改めて、

「オレは本当に日本最北端の地にたどり着いたんだ。」

という気持ちになった。そして、やっとここで本当に旅人になれたような気になった。

 そういえば、「最北端の地」では何かの撮影をやっていた。ゴールがあって、それに走って来る人達がいた。これは掛川に帰ってからわかったことだが、これはNHKの番組だった。

 ところで、ここはどうも人が多い。旅人も結構多いが、ツアーなどの観光客もいて、写真を撮るのも順番待ちだった。今までイメージしていた「最北端の地」とはかなり違っていた。まあ、観光地だから仕方ないか。

 そして、しばらくボーッとしていると、一人の青年ライダーが、

「よお、どっから来たんだ?ヒッチハイカーか?」

と声をかけてきた。そしてしばらく話をすると、彼は、

「ふう~ん。あ、近藤さん、近藤さん。年下発見!」

と言ってもう一人のライダーを呼んだ。二人はこっちで知り合って、何日か一緒に旅してるらしかった。

 青年ライダーは高2だが、実は高校はもうやめていて、カブに乗って旅しているという。彼は僕に、北海道のライダーの証、「ホクレンの旗」をくれた。ライダーが持っているのを見て、ずっとうらやましかったのだが、「ホクレン」という北海道だけにしかないガソスタで給油したライダーしかもらえないものなので、ライダーにもらわない限り手に入んないのだ。だからめちゃめちゃうれしかった。さっそくリュックにつけてみた。よっしゃ、これで完璧北海道の旅人だ。そして彼らは、

「オレらぁ、今日はクッチャロ湖でキャンプやるんだ。あっちで合流しねぇか?」

と言ってきた。もちろん、自分もクッチャロ湖に向かうことにした。彼らはバイクなので、一足先にクッチャロ湖へと向かった。

 さて、こっから自分もヒッチでクッチャロ湖へ行くぞ。ヒッチ開始だ!すぐに車が止まってくれた。ドライバーさんは自衛隊の方で、いろいろと北朝鮮とかに対しての自衛隊員としての意見を伺った。そしてクッチャロ湖まで行き、お礼を言って別れた。

 ライダー達はもうすでに着いていた。一人増えて三人になっていた。彼は大学生らしい。それからみんなでスーパーに買出しに行くことにした。スーパーに行くと、豚肉や牛肉が150円とかで売られていた。もちろん良い肉ではない。一人250円ぐらい出して、今日は焼肉をすることにした。キャンプ場でやるからバーベキューだ。

 そして、みんなでしゃべりながら焼肉を食った。暗かったので、生なのか焼けてるのかわからなかったが、結構うまかった。途中で他のキャンパーの人が、680円の高級な牛肉をくれた。150円とか200円とかの肉とはケタが違った。

そして、しばらくたって肉を平らげてから、近くのホテルの温泉に行った。3日間風呂に入ってなかったので、殊のほか気持ちよかった。

それからキャンプ場に戻り、しばらくマンガの話などでしゃべってから寝ることにした。みんなはテントがあるのでテントに入って寝たが、僕は寝袋で星空を見ながら外で寝た。ほんまもんの野宿や。